ISOの取り組み

 

2023年の振り返り+今後の5年の課題(2024/01/22品質会議での報告)

 

2024年05月09日

株式会社ビッドシステム

代表取締役 谷 径史

●2023年の特徴

2023年は2022年を異なり、コロナの影響もあり、社内体制的にはかなり厳しい状況で始まり、遷移しました。
しかし、売上は減少したものの限定的であり、前進した点もありました。
また、アイオーしんきんの展示会への参加やDXをテーマにした研修の実施など、新しい取り組みも行いました。
全般的な状況をみると、売上の中心は、制御系と基幹業務系になっています。(約70%)

分類比率
制御系開発38%
事務系基本31%
事務系汎用18%
保守10%
HP1%
HD2%

業務の基本は継続受注・継続契約となっており、年を重ねるごとにお客様との関係は深化しています。
案件は継続しており、その中には当社の対応が不可欠な基幹業務系が多くあります(31%)。これは、会社としては限定的な力量のなかで、社員の皆さんが多岐にわたる業務をうまく調整しながら担当し、お客様との信頼関係を深めてきたことの結果といえます。
当社はまた、これまでの成果の上にたって、以下の課題を解決することが要求されています(他社に引き継げる可能性のある案件は、現時点では、全体の1/3程度しかありません)。

  • 1) いっそうの力量の向上 … 力量
  • 2) いっそうの作業の効率化(開発、テスト、保守) … 効率
  • 3) 開発体制の見直し … 体制

●2023年の品質方針の振り返り

2023年の品質目標を設定したときに、「2023年の12月には、ビッドはどうなっているか?」というビジョン を話し合いました。

  • 1) 他の会社との差別化が一層顕著になっている
  • 2) お客様の片腕となっている
  • 3) 既存のお客様を重視し、関係を深めている
  • 4) 組織力の向上を実現し、組織としての自己管理能力の訓練を進めている

これらを、今見直したとき、4)の「組織力の向上」ではDXについての社内研修を実施したもののまだ目立った成果には至っていず、その意味では「幾らかは前進したが不十分性を残した」という状態になっています。
 1)~3)では、お客様との関係をみると、いろいろな成果を上げていると言えます。

2023年の重点課題の状況を確認してみます。

1)サービスに見合った提案について
これは、標準単価表の見直しを実施し、保守契約の見直しを進めました。
2)顧客をリスペクトし、顧客の片腕となることについて
お客様との関係について、個別の業務の振り返りでも見た通り、一層深化させることができました。
3) 社員について
個々の特性をベースにした能力の向上という点において、少しずつ成果が上がっているといえます。
「個々人の成長」というのはなかなかそのときには見えるものではなく、あとで振り返ってみたとき見えてくるものだと思います。当初「一人でできる」ことを課題としましたが、あいまい過ぎてあまりいい課題ではありませんでした。
4) 会社について
会社としては、業務の調整、待遇の改善、成果の分配、採用を課題としました。
  • ① 業務の調整は特に問題はなくすすめられました。
  • ② 待遇の改善も、パソコンの配布など、すすみました。
  • ③ 成果の分配という点でも、改善されました。
  • ④ 但し、採用の課題はうまく達成できませんでした。これは手を打ってはいるものの、継続の課題となっています。

 結果として、組織的にみた場合、共同で対応できるようになってきましたし、業務のもれなく対応できています。また社員としてみた場合は、取り組みの幅と質が豊かになり、様々な制約があるにもかかわらず、多様な業務を各自がうまく切り盛りしながらこなしてきたことが見て取れます。

●2023年の品質目標の達成状況

2023年の品質目標として、以下を定めました。

  • ●お客様の「目的」をより深く理解するよう努めましょう。
  • ●「1.5倍の価値」にふさわしいものにするには何が必要かを引き続き追求しましょう。
  • ●日常管理の水準を高めるため、有効なツールを導入し、品質を高めましょう。

※お客様に提供するソフトウェアの価値を高める取り組みの内容を充実させ、確実にするために以下を行う

  • 1.Redmine、Git等のツールを活用する。
  • 2.標準価格表の見直しを実施する。

※これらの評価は、ツール活用の実施数/計画数、請求実績(標準単価表との差異の有無)の年度比較で行う。
 Redmineの活用は定着してきました。この有効活用が今後の課題となっています。
 Gitの運用はまだ部分的です。プロジェクトの性格にもよりますが、今後共同での開発体制に順次移行することに伴い、運用の定着をはかっていく必要があります。
 また、「ツール活用の実施数/計画数、請求実績」での評価はできませんでした。
 ツールの活用により日常管理の水準を高めるまでには至ってはいません。朝礼の質の向上も不十分です。
 ツールを活用しての毎日の日常業務の生産性の評価までに活用しようとしたが、まだ実現されず、案件を概括しての管理までに留まりました。

●ビッドシステムの今後の課題(基本的視点)

 まず、会社とはどうあるべきなのかという基本的視点を確認しておきます。
 ビッド設立から27年が経過したことになります。
 これまでの取り組みを振り返ったとき、とても適切な道のりだったとはいえない問題が多くありました。
 何人もの社員が生まれ、また去っていきました。そのなかには会社側の対応の不十分性から問題を起こしたこともあり、また貴重な有能な社員を失うこともありました。
 顧客との関係では、顧客に入れ込みすぎて失敗したこともありました。
 社長としての立場から総括するに、社員との関係でも、顧客との関係においても、全般的に距離感がコントロールできず、いろいろな問題を引き起こしてしまったことがあったと思います。それは時代的制約からなのか、社会的制約からなのか、指導の無さか、社長としての経験・能力の不足からか、その要因はいろいろあったとは思います。
 こうした反省の上にたって、会社としての基本的な視点を、今一度整理しておくことにします。
 そもそも人は社会的存在であり、社会関係の中でのみ意味をもつ存在です。社会的な関係の中で、どういう役割を果たせるのかということです。
 会社は、その機会を提供できる場(唯一ではないが、最も基本的な場)といえます。この今日の社会のなかでは、人は会社を通して責任のある社会的な関係を結ぶことができ、社会的役割を果たすことができます。会社は人々が社会とつながる強力なツールになります。視点を変えれば、社員にとって会社は、自分が社会的役割を果たすことのできる「場」であり、人生の一時期を過ごすこの「場」を活用することで、自分の成長を実現できるということになると思います。
 ここで重要なことは、誰もが自分の特性・能力に応じて働けていることであり、社長の役割は、その場を適切に提供することにあり、その能力の発展を阻害する要因をできる限り取り除くことにあると考えます。

 現在のビッドの顧客の特徴として、基幹システムに関与しているケースが多いです、これは当社に特に、安定性と継続性を求めています。
 また、顧客要求が拡大してきています。これに応えるためには、思い切って他社システムの提案が必要な場合もあるかもしれませんが、基本は内部力量の強化により対応していくべきだと思います。
 提供するソフトウェア・サービスの価値に似合った対価を認めていただいている場合もあります。これは、対価の見直しや標準単価表の見直しにあらわれています。

私たちはこのような顧客にたいして、どのような視点で対応していくべきなのか、企業理念体系の再確認からすすめていきましょう。

〇 企業理念
  • 私たちは、お客様が満足するなら、IT 業界の常識に捉われず、そしてリスクを恐れずに、 徹底して過剰を排したスリムでシンプルなシステムを創ることを使命とします。
  • 私たちは、混迷するIT 世界の行く道を照らす一筋の光になることを目指します。
〇 品質方針
  • 当社は、コンピュータソフトウェアが持っている可能性を、様々な企業の実情に合わせて活かし、その企業が持っている力を効果的に発揮し発展していくことのお手伝い をします。
  • 当社は、来るべき時代に適合した新しい情報文化の創造を追求します。
〇 行動基準
  • 本来の目的を考え、行動する
  • シンプルに考え、行動する
  • リスクを認識し、共有する

今回、行動基準に1つを追加しました。「リスクを認識し、共有する」です。

●外部環境の変化に対してのビッドシステムの取り組み

 外部環境の変化をみてみると、いい傾向はあまり見えてきません。温暖化、格差の拡大、転職の風潮、差別・競争・戦争、社会不安・腐敗、…。「いまこそが過去を払拭する最後のチャンスだ」などと言われていますが果たしてそうでしょうか?
 一方、ソフトウェアをめぐる環境は、長期的、中期的、短期的の各見通しにおいて、仕事はあふれており、いくらでも課題があるという状態です。
 職業に貴賤の差はないと言われます。しかし、その様々な職業が社会全体の発展の中で占める位置と役割には違いがあることも事実です。生産、加工、流通・消費の一連の産業があり、これかが経済の基礎を形成しています。この経済的土台の上に様々な文化的産業が育成され、新たな価値を生み出しています。
 ソフトウェア分野に目を向けても様々な規模、様々な分野の事業があります。その中で、当社が携わっているソフトウェア開発の事業は、それ自体が社会の様々な分野で生産性の向上に直接的に寄与し、温暖化の防止などにも有効に作用し、やり方によっては全般的経済水準の向上に寄与し、それを基礎にした新しい文化の創造を推進する極めて意義のある事業と言えます。
私たちは、これまでの取り組みのなかで、この分野で十分に対応できる力量を蓄えてきました。
 地球がこれからどうなってしまうのかはわかりませんが、どうせやるなら、未来を信じて100年後、200年後、300年後になったとき、それなりに評価される(将来につながる役割を果たせたという)仕事をしようと思います。
 キーワードは「対立・競争」ではなく「協力」です。社内的には、誰もが各自の特性、能力に応じた役割を持って働き、適切な成果の分配を実施することであり、顧客との関係では、目的の「共有」とリスクの「共有」を行い、同じ思いでプロジェクトを推し進めることです。生産性向上の阻害要因は「対立」であり、「協力」こそが生産性の向上の原動力になることは当社がこれまでの経験から学んだことです。
 ビットシステムは、これまでの過去の経験や失敗を糧とし、新年度は様々な分野での「協力」と、そこから生まれる「心理的安定性」をベースにした生産性の向上とイノベーションを目指したいと思います。

以上