ISOの取り組み

 

2007年の年頭にあたって

 

2007年1月9日 社員総会での報告

株式会社ビッドシステム

代表取締役 谷 径史

●2006年の品質目標はどのように達成されたか

 昨年の品質目標は、以下の3点でした。

  1. 仕事研究を進めて自社をアピールする。
  2. お客様の日ごろのニーズにより深く応えられるようになる。
  3. 開発体制を強化する。

これが、どのように達成されたかを見ていきます。
第1の項目は、確実に進められました。その成果がHPの更新とパンフレットの作成でした。
第2の項目は、課題を残しました。というより、会社としての考え方が厳しく問われてきているように思います。
第3の項目は、新規採用の体制強化はできませんでしたが、社員も増えまた社員の能力も向上し、開発体制的には強化されたと言えます。

 

●2006年の問題の現象と原因は何か

 昨年は後半になり、多くの問題を起こしてしまい、お客さまに大変なご迷惑をお掛けすることになってしまいました。昨年の問題は、特定のプロジェクトで発生した問題ではなく、複数のプロジェクトで発生しました。また特定の社員が起こした問題でもなく、数名の中心的社員が関わっていたプロジェクトでも発生しました。

 昨年の問題は、開発したソフトウェア製品がお客さまの意図しているものや要求しているものと異なっているということとして現れ、またお客さまの意図しているスケジュール通りに完成しないということとして現れました。

 原因はもちろん社員の能力と意識が、お客さまの要求に応えられるレベルに到達していないことにあるのは明白なので、いっそうの努力が問われていることは間違いありませんが、それだけではないと思います。

 要するに、ビッドシステムとしての会社の有り様が問われてきていると思います。

 

●ビッドシステムはどういう会社だったか

 当社は、もともと、ひとつのプロジェクトチームが独立して設立された会社であり、いつも社員の総意にしたがって運営されてきました。利益が上がればすべて社員に還元してきました。会社の発展と社員の成長とは一体のものであり、会社の使命は社員が自分の能力を発揮し向上させることの出来る「場」の提供にあると考えてきました。当社のすべての判断の背景には、こうした理念がありました。

 一言でいって、このビッドシステムの理念の限界が問われ始めてきているのではないかと思います。
 お客さまのビッドシステムに対する要求は、社員の成長を待ってはくれません。お客さまの要求が社員の能力を超えている場合、会社は社員の成長を待つのではなく、能力のある人材を採用したり外部から動員したりして、お客さまの要求に応えるべきではないかと思います。

私たちの水準が低いからと言って、お客さまに迷惑をかけるわけにはいかない。」これが今年からのビッドシステムの合言葉にしなくてはならないと思います。
 昨年の様々な事象は、ビッドシステムに対するお客さまの期待や要求が益々高くなっているのにも関わらず、会社としてそれに応える対応をするのではなく、ビッドシステムの実情と社員の成長にだけ依拠してしまうと、結果としてお客さまに大変なご迷惑をお掛けしてしまうということを示しています。 この両者は二者択一のものではありませんが、あえて言うなら、まず社員より、お客さま中心の会社への転換を実現したい。これが重要になっていると思います。

 ビッドシステムの社員は、この現実は同時に、社員のいっそうの成長を求めていることを認識し、いっそうの研鑽を積んでもらいたいと思います。私自身もまた現場で開発作業する立場ですので、社員に問われていることはそのまま自分に問われていることでもあると認識しておりますので、いっそうの努力をいたします。

 

●2007年度の品質目標

 お客さまの利益に貢献できるように会社を発展させることが重要です。このためには、新卒を初めとし有能な人材を継続的に補給する体制作りや派遣契約社員・外注も含めた人材の確保、業務提携先の獲得、またこれを担保する会社としての資本力の強化が求められています。

 また、ビッドシステムの固有の技術にいっそう磨きをかけていくことが必要です。この中には、これまで習得した技術をいっそう発展させることとともに、今後必要とされる技術の習得も含まれます。たとえば個人情報を初めとする情報管理技術やコンピュータシステムを実際の売上などの具体的な成果に結びつけるデータ分析技術などを習得し、総合的なコンサルティング能力を強化することなどが重要になっています。

 自社ブランドを立ち上げ、いっそう広範なフィールドに踏み出していくことも必要です。ビッドシステムはこれまでの10年間の過程で、すでに自社ブランドと言える内容を育んできています。これがお客さまに評価され信頼され、会社は成長することができました。自社ブランドとは、問題解決・要求定義に関する立場であり、設計開発の手法であり、ソフトウェア製品としての品質であり、お客さまの利益向上におけるソフトウェアの使用価値を意味するものです。

 こうして顧客クレームをゼロにすることです。顧客クレームは突然発生するものでは決してないので、クレームに至るまでの不正常な状態に対して適切な対処を真剣に行うことによって必ず防ぐことができます。

 2007年、ビッドシステムは創立10周年を迎えます。今年はビッドシステムが直面した厳しい現実を、この品質目標を達成することで何としても乗り越えていきたい。

 昨年にも言ったことではありますが、基本方針には変更はありません。総じて方針は正しく、お客様にも恵まれています。今後、非常に展望が明るいと思います。

 

以上